複業に失敗した人の話を聞いてみると、ある共通点が浮かびあがります。ほぼ全員が「時間を売ること」だけを考えて動いていた、という点です。

時給1,000円のデータ入力を週末5時間やっても、月収5,000円。その5,000円のために土曜の午前を丸ごと使って、月曜の仕事のパフォーマンスが落ちる。これは失敗ではなく、最初から結果が決まっている構造です。

複業には大きく2種類あります。ひとつは働いた時間分だけ報酬が発生するフロー型。データ入力、単発ライティング、アンケートモニターなどがこれにあたります。もうひとつは積み上げるほど収益が伸びるストック型で、ブログ、SNS、スキル販売、コンテンツ制作などです。

フロー型は今月の収入に直結しやすい半面、やめたら収入がゼロになります。使える時間が本業後の数時間に限られている会社員にとって、フロー型だけで月10万円を超えようとするのは、計算上ほぼ不可能です。

💡 ポイント: フロー型で「今月の生活費の補填」をしながら、ストック型を並行して育てる二刀流が、複業の基本設計です。フロー型は「稼ぎながら学ぶ」手段として活用します。

私がキャリア相談を受けた中で、複業で月5万円以上を安定して稼いでいる人には共通した行動があります。それは「今月稼ぐ仕事」と「6ヶ月後に稼ぐ仕事」を同時に動かしているということです。

今月稼ぐ仕事で生活の余裕を確保しながら、毎週少しずつストック型の資産を積み上げる。この両立ができている人と、フロー型の単発案件を消化するだけで終わっている人では、6ヶ月後の収入が3〜5倍変わることがあります。

ゼロから新しいスキルを学んで副業にしようとすると、最初の収益が出るまでに3〜6ヶ月かかります。その間のモチベーション維持が、実は最大の難関です。

それよりはるかに早く収益化できるのが、今の本業で毎日使っているスキルをそのまま別のフィールドで提供することです。あなたが「普通のこと」だと思っている業務が、個人事業主や中小企業にとっては「プロに頼みたいこと」になっている場合があります。

実際に相談を受けた方の例を挙げます。大手メーカーの品質管理担当だった30代女性は、「ISO文書の作成と管理」を副業として提供し、初月から月3万円を達成しました。彼女自身は「こんな作業、誰でもできる」と思っていましたが、ISOに不慣れな中小企業には喉から手が出るほど欲しいスキルだったのです。

営業職であれば「提案書・見積書の作成代行」「営業トークスクリプトの作成」、経理担当なら「個人事業主の記帳代行・確定申告サポート」、人事担当なら「求人票の添削・面接官トレーニング」といった形で、本業の経験をそのまま商品にできます。

✅ 成功のコツ: 自分のスキルを棚卸しするとき、「本業で人より速くできること」「後輩や部下に教えていること」「社内で頼られる場面」の3軸で考えると、意外な強みが見つかります。まずA4用紙1枚に10個書き出してみてください。

スキルが決まったら、次は市場に出す場所を選びます。ランサーズやクラウドワークスは案件数が多く、最初の実績を作るのに向いています。ビザスクは1時間のアドバイス形式で高単価が狙いやすく、専門性が高い人に向いています。ストアカやスキルシェアサービスは「教える形式」で提供したい人に適しています。

まずは1つのプラットフォームに絞り、3件の実績を作ることだけ考えてください。プラットフォームを増やすのはそれからで十分です。

転職エージェントを活用して本業の市場価値を把握することも、横展開スキルの発見に役立ちます。→ 転職エージェント選びで年収50万円差!人事が教える失敗しない活用術

複業初心者の9割が時給換算で仕事を受けています。これが月3万円の壁を越えられない最大の理由です。

時給1,500円で月20時間が限界なら、月収は3万円。本業後の疲れた状態で20時間を確保するのも相当きつい。この構造を変えない限り、どれだけ努力しても月3万円の壁は越えられません。

具体的な数字で見てみます。ブログ記事1本(2,000文字)を時給1,500円で受けると、2時間かかれば3,000円。同じ記事を「1本5,000円」という成果物単価で受けると、作業が90分に縮まれば時給換算は3,300円を超えます。スキルが上がるほど時給換算が青天井になるのが、成果物単価の強さです。

移行は3段階で進めます。まず時給ベースで3〜5件の実績を作ります。次に既存クライアントに「次の案件から成果物単価での契約に変えたい」と伝えます。断られたら別のクライアントで同じことをする。この繰り返しで、半年後には単価が1.5〜2倍になっていることが多いです。

⚠️ 注意: 実績がゼロの段階から高単価を要求するのは逆効果です。最初の3件は「市場相場の8割」くらいの価格で受け、スピードと品質で信頼を積む。単価交渉はその後です。焦って高単価を要求した結果、案件がゼロになって辞めてしまう人を何人も見てきました。

成果物単価への移行と並行して意識してほしいのが、固定クライアントの獲得です。毎月同じ人から同じ仕事が来る状態を1件作るだけで、営業にかける時間がほぼゼロになります。

固定クライアント1人で月3万円が安定したら、次の案件を探す余裕が生まれます。この余裕の有無が、複業の継続率を大きく変えます。単発案件だけを追い続けている人と、固定1〜2社を持っている人では、1年後の収入差が2〜3倍になることは珍しくありません。

「副業がバレたらどうしよう」という不安は、多くの複業検討者が最初にぶつかる壁です。ここは人事側の視点から、実際にどういう経路でバレるのかを正直に話します。

私が12年間で関わってきた企業の中で、社員の副業が発覚したケースを振り返ると、経路はほぼ3つに絞られます。

副業収入が年間20万円を超えると確定申告が必要になります。確定申告をすると住民税が計算され直し、会社の給与から天引きされる特別徴収の金額が増えます。経理担当者がこの増額に気づいて人事に報告する、というのが最も多いパターンです。

対策はシンプルで、確定申告時に住民税の納付方法を「普通徴収(自分で払う)」に変更することです。確定申告書の第二表に記載欄があります。これをするだけで、会社への通知を防ぐことができます。

💡 ポイント: 副業収入が年20万円以下であれば確定申告は原則不要です。ただし、住民税の申告は別途必要な場合があります。詳細は国税庁のサイト(確定申告が必要な方)で確認してください。

SNSで本名・顔出しで副業の仕事内容を発信していると、同僚や取引先に見つかります。ペンネームや匿名アカウントでの運営を基本にしてください。プロフィール写真も判別できない程度に抑えるか、アイコン画像にするのが安全です。

職場の同僚への口外は、お酒の席も含めて厳禁です。善意で話してくれた友人が、翌週の飲み会で広めてしまうことは本当によくあります。「副業を始めた」という事実は、信頼できる家族以外には教えない、と決めてしまうのが一番シンプルな対策です。

また、就業規則の確認も欠かせません。「競業他社への情報漏洩防止」と「本業への支障防止」が副業禁止規定の主な目的です。本業に支障が出ていない範囲で行い、競合にあたる可能性のあるジャンルは避ける。これが基本姿勢です。2018年に厚生労働省が策定した副業・兼業の促進に関するガイドライン以降、副業を容認する企業は増加していますが、まずは自社のルールを把握することが先決です。

副業が会社にバレるリスクと対策をさらに詳しく知りたい方はこちら → 副業が会社にバレる3つの原因と完全対策!人事が教える最新版

複数の仕事を掛け持ちするとき、何を組み合わせるかで収入の伸び方が大きく変わります。ただ仕事を増やせばいいわけではなく、「相乗効果が生まれる組み合わせ」を選ぶことが重要です。

法則1:スキルの相互強化

本業と複業が同じスキル領域にあると、どちらをやっても両方が伸びます。マーケター(本業)がWebライティング副業をすると、SEOの知識が本業のデジタル施策にも活きる。エンジニア(本業)がフリーランス案件を持つと、本業では使わなかった技術を習得できる。この相互強化が起きる組み合わせが最も効率的です。

法則2:フロー型とストック型の並走

今月の収入はフロー型で確保しながら、6ヶ月後に収益化するストック型を毎週少しずつ積み上げる。具体的には、ライティング案件(フロー型)をこなしながら専門ブログを育てる(ストック型)、コンサル単発案件(フロー型)をこなしながらnoteで有料コンテンツを蓄積する(ストック型)、といった形です。

法則3:平日夜と週末で仕事の種類を変える

平日夜は「頭を使わない作業系」(データ入力・テープ起こし・簡単なライティング)で疲弊を防ぎ、週末の集中できる時間に「頭を使う仕事」(コンサル・高単価ライティング・コンテンツ作成)を入れる。このメリハリが、本業へのダメージを最小化します。

✅ 成功のコツ: 組み合わせの黄金パターンは「本業スキルのスポット案件(フロー型)+ 専門ブログorSNS(ストック型)」です。前者で月3〜5万円を確保しながら、後者を週2〜3時間ずつ積み上げていく。6ヶ月続ければストック収入が1万円を超え、1年後には逆転していることも珍しくありません。

本業職種フロー型副業ストック型副業月収目安(6ヶ月後)営業職提案書作成代行・営業コーチング営業ノウハウブログ・YouTube月5〜8万円IT・エンジニアフリーランス開発案件技術ブログ・Udemy講師月10〜20万円人事・採用求人票添削・面接官トレーニングキャリアコーチング・採用note月5〜10万円経理・財務記帳代行・確定申告サポートFP資格活用・家計相談ブログ月4〜8万円マーケターSNS運用代行・広告設定専門メディア・アフィリエイト月5〜12万円

自分に合った複業の設計を一緒に考えたい方へ

採用コンサルタント12年・80社支援の経験をもとに、あなたの本業スキルと複業設計を個別にアドバイスします。

無料相談に申し込む

複業を始めた人の約6割が、半年以内に一度やめています。理由を聞くと「疲れた」「本業に影響が出た」「思ったより稼げなかった」の3つが大半を占めます。

稼げることより、続けることの方が長期的には重要です。続けることでスキルが積み上がり、単価が上がり、固定クライアントが増える。続けることが最大の戦略です。

上限①:週の稼働時間

「副業に使う時間は週10時間まで」と決めてしまいます。上限がないと、依頼が来るだけ受けてしまい、本業のパフォーマンスが落ちて本末転倒になります。私が支援してきた複業成功者の多くは、週10〜15時間という枠を守り続けています。

上限②:受けない案件の基準

「時給換算800円以下の案件は受けない」「納期3日以内の急ぎ案件は受けない」など、断る基準を事前に言語化しておきます。断ることへの罪悪感がなくなり、本当に価値のある仕事に集中できます。

上限③:クライアント数の上限

複業を始めると「もう1件受けれる」という誘惑に負けやすくなります。「同時進行は3クライアントまで」と決めておくと、質の担保と精神的余裕の両立ができます。

複業の内容は固定化せず、3ヶ月ごとに「稼げているか」「成長しているか」「疲弊していないか」の3点を振り返ります。

3ヶ月やってみて成長も収入増もないなら、それは変えるサインです。逆に順調であれば、単価アップか仕事量の増加のどちらかを検討します。この定期見直しを習慣化すると、「なんとなく続けている」という惰性の複業から、「意図を持って育てている」複業に変わります。その差が、1年後の収入に如実に出ます。

💡 ポイント: タスク管理はNotion、Trello、Todoistのいずれかを使い、本業と複業のタスクを一元管理することを推奨します。頭の中で「複業のやること」を抱えている状態は想像以上に消耗します。ツールに出してしまうだけで、精神的余裕が大きく変わります。

本業スキルの棚卸しから始めてください。「自分が人より速くできること」「後輩に教えていること」「社内で頼られる場面」を紙に10個書き出します。次に、ランサーズかクラウドワークスを開いて、そのスキルに関連する案件を検索します。「こんな仕事があるんだ」と気づいた段階で、複業の現実感が一気に上がります。登録・閲覧は無料ですので、まずそこから始めてみてください。

週3〜5時間でも始められる複業は存在します。ポイントは「時間がある時に一気にやる」ではなく「毎日15〜30分の積み上げ型タスク」を組み込むことです。ブログやSNSの更新、文章コンテンツの作成は、この形式に向いています。本業が特に繁忙な月はストック型に専念し、余裕がある月にフロー型の案件を受けるという柔軟な切り替えも有効です。

副業収入が年間20万円を超えると、確定申告が必要になります。確定申告を行う際は、住民税の納付方法を「普通徴収(自分で払う)」に設定することで、会社への通知を防げます。経費として計上できるもの(通信費・書籍代など)を記録しておくと節税につながります。詳しくは税理士か国税庁のウェブサイトで確認することをお勧めします。

就業規則の副業禁止規定は、主に「本業への支障防止」と「競業他社への情報漏洩防止」を目的としています。本業に支障を出さず、競合にあたらない範囲であれば、法的には問題ないケースが大半です。ただし会社との関係を考えると、まず上長への相談または就業規則の精読をお勧めします。厚生労働省のガイドライン(2018年策定)以降、副業を認める方向に就業規則を改定している企業も増えています。

私の経験では、「副業収入が本業給与の70%を超えた」「安定した固定クライアントが2〜3社ある」「6ヶ月分以上の生活費が貯蓄できている」の3条件が揃った段階で独立を検討する方が多いです。ただし移行は急がず、本業を続けながら受注キャパシティと顧客基盤を十分に作ってから動くことを強くお勧めします。独立の決断を急いで、収入がゼロになってから後悔する方を何人も見てきました。

キャリアの転換を考えている方は → 未経験の異業種転職後悔しないために やるべきことの完全ガイド

今回解説した5つのポイントを振り返ります。

  • フロー型とストック型の二刀流設計——どちらか一方ではなく両方を並走させる
  • 本業スキルの横展開——ゼロから学ばず、今持っているスキルを別市場で売る
  • 成果物単価への移行——時給思考から抜け出すことで収入の天井が消える
  • 住民税・SNSの実務対策——人事側の視点でバレる経路を先に潰しておく
  • 週10時間上限・3ヶ月見直しサイクル——続けることが最大の戦略

複業は「すごい才能がある人だけのもの」でも「時間が余っている人のもの」でもありません。本業を持ちながら、今日から小さく始めて、戦略的に積み上げていくものです。

今夜やることは1つだけです。ランサーズかクラウドワークスを開いて、自分の本業に近いキーワードで案件を検索してみてください。「こういう仕事があるんだ」「自分でも受けられそう」という感覚が生まれたとき、複業の現実感が変わります。それが最初の一歩です。

複業の設計を、一人で悩まずに相談したい方へ

採用コンサルタント12年・80社支援の経験をもとに、あなたの本業スキルと複業設計を個別にサポートします。

実際に100人以上のキャリア相談を受けてきた視点で、あなたに合った複業の形を一緒に考えます。

無料相談に申し込む

この記事を書いた人

採用コンサルタント歴12年 | 80社の求人・採用設計実績 | 100人以上の転職・キャリア相談を担当。中小企業の人事・採用事情に精通し、転職者と企業双方の視点から実践的なキャリアアドバイスを提供しています。

転職無料相談お申し込み

ブラック企業を確実に避けて、理想の職場を見つけませんか?
人事経験12年のプロが、あなたの転職成功をマンツーマンサポート

紹介

採用コンサルタント歴12年、80社の求人制作実績を持つ転職支援のプロフェッショナルが直接サポートいたします。

無料相談で解決できること

  • ブラック企業の見極め方 - 面接で確実に見抜くテクニック
  • 転職戦略の策定 - あなたに最適な転職時期と方法
  • 履歴書・職務経歴書の添削 - 人事が評価する書類作成法
  • 面接対策 - よくある質問への完璧な回答例
  • 年収交渉術 - 給与アップを実現する具体的手法
  • 転職エージェントの選び方 - 本当に使える優良エージェント紹介

今すぐ相談すべき理由
転職市場は刻々と変化しています。最適なタイミングを逃さないためにも、まずは現状を正確に把握することから始めましょう。








    >>> お申し込み後、24時間以内にご連絡いたします
    >>> 相談は完全無料です。お気軽にお申し込みください
    >>> 個人情報は適切に管理し、転職相談以外の目的では使用いたしません

    おすすめの記事